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三彩
唐三彩、奈良三彩、正倉院の三彩は歴史上有名である。
三彩は低下度釉で低温焼成であるがゆえ
実用品ではなく装飾品が多い。
かつてのペルシャ三彩もそうである。
しかしながら瀬戸の陶工の技術を用いて
高温焼成実用化されるようになったのが本業の三彩である。
施釉陶器を先駆けで作った歴史をもつ瀬戸だからこそ
かなえることのできた姿なのかも知れない。
無地の器とは違い優美華麗な姿は存在感があり
食卓に彩りをもたらしてくれる。
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馬の目
江戸後期より生産が始まった「馬の目」は
縁にいくつもの渦巻き模様が描かれている。
この呼び名は後付されたと言われているが
由来は諸説いろいろある。
実用品を得意とした瀬戸ならではの一筆描きは勢いがあり
時代を超え需要に応えてきた。
使用してみると模様が邪魔することなく食をよく引き立てる。
どんな料理にも相性が良い。
現在は専任の職人がこの絵柄を描き続け約12年になる。
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麦藁手
江戸期より生産が始まった「麦藁手」は
交互に幾条もの縦線を引いた文様が特徴で赤らく、
呉須、鉄と呼ばれる彩料を用いて描かれる。
「赤らく」は泥状で描くとかすれ易く、
線状がいかにも麦の穂を思わせる様だから麦藁手と呼ばれた。
これも瀬戸の特徴からか飾るよりも
使われることの方が多く実用性が高い。
特に碗状の形が多く日本ではご飯茶碗の代名詞的存在でもある。
現在は専任の職人がこの線を描き続け約8年になる。